2024年2月23日(金・祝)ルスツは曇りのち晴れ
◆それは一通のメールから・・・
私はブログに、
というメッセージを貼っています。(メールアドレスをリンクしないのはクラシックな迷惑メール対策)
しかし、まさかこれに反応があるとは夢にも思っていなかったのです。
Mさまより、
・2月20~23日なら、ルスツにおります
というメッセージを頂き、(何度かメールのやり取りがあるなど、途中の経緯は、ざっくりリカットしますが)一緒に滑ることになったのです。
待ち合わせし、はじめまして、のご挨拶を交わした瞬間、
「では今日はご指導よろしくお願いいたします」
え!?今日は一緒にワイワイ楽しく滑るんじゃないの~????伺うと、私がコツコツ記している自らの「スキー技術論」に共感してくれておられたとの事なのです。
そう言う事であれば、今日はインストラクターモードで・・・・
◆先輩に「指導」することは経験不足?
M様ご夫妻はは私の大先輩ともいえるご年齢。私は下は幼稚園や小学生にレッスンするのは非常に多いけれども、自分より年上の方にすることは、余り経験が無かった。
しかし、滑り出してビックリ、お二方とも本州の方とは思えないほど上手い!聞けば、毎年ルスツに2~3泊を何度か繰り返されて、その3~4日間みっちり滑り込まれているとのこと。
そして、「ちゃんと指導してもらえたこと、ブログに付けてくださいね」とリクエストまで頂いてしまったので、ちゃんと記録しておく。(約束守りましたよ、Mさんご夫妻!)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・以下Mさんの為のメモ(動画はご本人にはお渡ししております、掲載できずすみません m(_ _)m )
◆ポジション
お二方の上手な滑りをじっくり観察。
どうしても、「体を傾けることでターンを作る」所が目に付きます。これは最近のスキーの特徴であるカービングスキーの特性上致し方ありません。ちょっと体を傾けてあげると、スキーのサイドカーブがきれいなターンを作ってくれてしまうのですね。
でも、それ(体を傾ける)だけだと、どんどん加速してしまい、最後は破綻してしまう ・・・事が避けられなくなってしまいます。
聞けば「急斜面では暴走してしまいがちになります」とのこと。
なので、意識してズレを作ってもらう事にします。
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1.ズラしを多用した大回り
まず、ズレズレの大まわりを。真下への横滑りをやってもらうとテキメン。ご夫妻の滑りはとてもよく似ていて、右足外足の時は綺麗に下にズレられるけど、左外足では、体が傾いてしまう分、角が立ちスキーが前に進んでしまい、下にズレ落ちることが出来ません。
スキーをフラットに踏むこと。これは 体を外足側に近づける 事で体の傾きを押さえ外足側にしっかり重心を伝えることが出来るようになり、ズレが生まれてきます。(動画1)
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2.ズラしを多用した小回り
大回りのタイミングを速くしたものが小回り。これも、しっかり体を外足側に近づける 事を重視し手滑ってもらいます。
小回りと言っても、やや大きめに落差をとってズレを意識しながら小回り。
右外足はしっかり荷重できるのですが、足首を使えず「ターンが小さく、すぐ終わってしまう」事になります。左外足は体が傾く(内倒)分抵抗を捕まえられるのですが、ズレを作ることが出来ず(スキーが前に進んでしまう分)スピードを押さえることが出来ません。
なので、左外足が1なら、右外足は1,2と 右外足の時は「ターンを大きく」してもらうことで、実はターン弧が揃う事を案内しました。
(動画2)ではっきりとそれを感じてもらうことが出来ると思います。
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3.ターンのきっかけをスキーに作ってもらう
お二方とも、上手に「動けてしまう」ので、自分で体を回して、または体を傾けて「ターンを作りに行ってしまう」ので、スキーが自動的に回るようなきっかけを作ってみます。
山回り(ターンの終わり)で、曲がった足首とヒザを雪面に押し返すことで「ジャンプするように次のターン側の飛び出す」イメージで、次のターンのきっかけ(とらえ)を作ってもらうようにします。
ところが、これは失敗。
お二方とも、「足首の入りが弱く」「膝の曲げも弱い」高い滑走ポジションの為、曲がった足首とヒザを雪面に押し返すことで「ジャンプするように次のターン側の飛び出す」為の「足場」が足りません。
バネは縮むことで、伸びが生まれます。逆に言うと縮みがないと伸びが出ないという事になります。お二方の滑りにはもう少し「縮み」足首・ヒザ・股関節(3関節)の曲げ が欲しいのです。
また、どうしても、どうしても内側に体を傾けて滑りたくなるので長年のしみつき、でもありますね)傾いた体を起こさないと次のターンに入れなくなり、素早い切り返しがやりにくくなります。外足側への傾き も欲しい処です。
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なので、これ(3関節の曲げと外足側への傾き)を導くバリエーショントレーニングをやってみることにしました。
4.ポジション修正のためのバリトレ(バリエーシントレーニング)
①片足ターン・片足クロスターン
ターンの最中内足を上げます。しっかり外足に乗れていないと、内側のスキーを上げられません。次に、上げた内スキーを外足側にクロスさせます。これが出来るようになると体がしっかりフォールライン(以下FL)に向いてくれるようになります。
驚いたことに、お二方とも器用にこなされます。(奥様は内スキークロスに若干苦戦されておられましたが、なんとかクリアです)とても、60代、70代の年齢の滑りとは思えないほど上手でした。
②外足側のストックを引きずる
3関節の曲げが弱く、姿勢が高い方にはこれは効きます。お二方ともやりにくくて仕方がないご様子でした。
外足側のストックのリングを引きずるように滑る。これをやると強制的に姿勢を低くする必要があり、いやでも3関節の深い曲げ が導けるようになります。時間の関係でこの練習にあまり時間をさけなかったのですが、お二方には「機会があれば何度も繰り返してストック引きずり」をやってもらえるようにおねがいしました。
③外足側に両ストックを突いてターン
右外足では右肩、左外足では左肩を回してターンする。いわゆる「体でターンを作りに行く」スタイルが少しお二方には目立っておられます。なので、これを強制するため、外足側の両ストックを突いてもらいます。
これを行うことで自然な外向系(右外足で左肩、左外足で右肩が前に出てくる姿勢)が生れてきます。
Mさんはストックが邪魔そうに見えます。念のためグリップをひと握り下げてもらうと、やりやすそうになります。これはストックを付く位置が体に近すぎるのです。なので、ストックを 体の遠くに突く事を意識してもらうと、見事に改善されました。言ったことをスグ実践できる素晴らしいの込みの速さでした。
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さて、お二方は驚くほどポジションが良くなってきました。なので、最後に、
5.上下動を自分の限界まで大きく意識して使う
ことを大きめの小回りで実践してもらいました。(動画3)
ズレを意識して、大きめの小回りを「上下動をしっかり使って」表現してもらうのです。
いや、参りました。
お二方とも、滑りが見違えるように良くなって、キレイな「基礎パラレルターン小回り」の完成形に近づいてきました。
欲を言えば、もう少し上下動の幅を大きくしてほしい(スキーに重さ・圧をかけてほしい)所ですが、それは今後に期待というところでしょうか。
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6.仕上げの大回り
最後に「大回りも見て欲しい」とのリクエストがあり、ワンポイント。
ターンの始動(谷周り)部分では、ズラしを入れ、捉えたら角を立ててカービング、最後に(上に抜けるのではなく)前に抜ける。
これを練習。うんうん、難しい動きなのですが、ポジションが良くなってきているので、本当にキレイな大回りが見えてきました。
最後に仕上げの動画4
特に奥様は、動きはややぎこちないものの、捉えのズレ、中盤のカービング、終盤の(進行方向への)抜け・・・が、とても上手く表現されておられ、びっくりでした。
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◆まとめ
初対面同士、楽しく滑る・・・そんな一日をイメージしていたのですが、結局マジ指導モードに。
終わってみれば、中上級者向けレッスンそのもの・・・という趣でしたが、何より年齢を全く感じさせないお二方の熱意に、私が引きずられた感じ・・・ですね。(笑
上手くなりたい、という気持ちに年齢は関係ない・・・という事を改めて実感させてもらえました。
私も練習してうまくなるぞ!!!!(笑
M口さん、ありがとうございました!
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