◆2019年9月17日(火)
ジェフリーディーバー 限界点(文春文庫 土屋晃 訳 上750円 下720円)
ディーヴァの文庫版新刊が出ていたことを知らなかった。BookOffで偶然見つけて、その場で買って来た。
カテゴリとしてはミステリに分類されるんだろうけど、ディーヴァにはミステリにない緊迫感と「ドンデン返し」がある。
このツイスト(ドンデン返し)がディーヴァの妙である。
四肢マヒの探偵(捜査官?)のリンカーンライムシリーズがとにかく面白い。
こちらの想像の裏の裏をかく展開にワクワクさせられる。
追うものと追われるものが「髪の毛一本」「靴の裏の砂一粒」で攻防する。
靴の裏に付いた砂粒の成分から、場所を推定し、犯人の行動やプロフィールを導き出すのがライムなら、
それ(ライムに追われている事)を熟知する犯人は、わざとダミーの砂粒を置く。 ライムはそのダミーを見抜き、ダミーの入手経路から犯人にたどり着こうとする。 犯人はそれまで織り込み、ダミーの入手経路にも伏線を張る・・・
などという読者に「裏の裏を読む」事を強い、知らないうちに推理させられ、ものの見事に裏をかかれてしまう・・・
その裏の書かれ方が爽快なわけだ。
この限界点はライムシリーズではないけれども、やはり追うもの(捜査官)と追われるもの(犯人)との間で知恵と知恵のぶつかり合いが展開される。
ドキドキ・ハラハラさせられて、爽快に裏切られる展開。今回も面白さは揺ぎ無かった。
でも、読み終えた瞬間、「ん~こんなモンかなぁ・・・」という気持ちだったのが正直な処だ。
例えば犯人が替え玉を用意していて、逮捕された人間は完全に別人。そして、別の車を利用して逃走している人間それが犯人と思わせておいて、それも替え玉、真犯人は意外や近くにいて、ターゲットを狙っていた。
「さて、そう来たね、でも、その裏の、また裏をかくとどうなるの?」
と、裏をかかれることを前提に「その先」を期待してしまう。なので、普通に裏をかかれるだけでは満足しなくなってしまうわけだ。
そいう言う意味で、「普通に裏の裏をかく」だけの結末に、少し拍子抜けしてしまった感があった。
普通に面白いし、普通に裏をかかれる爽快感がある。
ただ、38作品のうち30作を読了してしまったマニアとしては、物足りなく感じでしまうわけだ。
Twist作家の宿命かな? 全作品を読了するようなマニアをも参らせるような昨比を常に書き続ける・・・これは大変な事だ。(笑
次の作品にも期待である。

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