出張中、JR社内ではディーバーの話術に脳みそを揺さぶられる・・・

◆今回の出張のお供はこれ

シャドウストーカー(上・下) ジェフリーディーバ著(文春文庫 821円)

JR内での読書タイムのパートナーはジェフリーディーバ。今回の出張は、途中でレンタカーでの移動が入るので読み切れないかな?とも思ったのだが、やはりディーバーの筆力に完読させられてしまった。

 

◆作者の深い知見が邪魔をすることもある?


売れっ子女性カントリーシンガーに、影のようにつきまとうストーカー。そして彼女のヒットソングの詩に沿って殺人事件が起きる・・・・

 

面白い。上下合計600ページを超える分厚さなのだが、一気にすいすい読めてしまう。

 

が、この作品は弱点があるだろうな、と思う。作者であるディーバが「評論家」とも呼べるレベルの音楽好きということだ。自分がなまじ音楽が好きで、知識・知見が広く深いがゆえに「語って」しまうのだ。話の筋とはちょっと違うところに、深い音楽への造詣が語られてしまい、どうしても緊迫感が削がれるきらいがある。

 

ディーバは音楽が好きで好きでたまらない。自分の(音楽への)思いを語りたくて仕方が無い。それが、時として顔を出し、冗長化してしまうんだな。

そして、今回の探偵役はキャサリンダンス。

ディーバのミステリーの主役・探偵役は、

・リンカーンライム+アメリアサックス
・キャサリンダンス

この二種類に分かれる。

前者は髪の毛一本、砂粒一粒から犯人へアプローチしようという「証拠アプローチ」。
後者は人間の態度やしぐさから、本当の心の奥底の気持ちを表に出す「心理アプローチ」。

本作は、ライム・サックスもわき役として登場はするけれども、主役はキャサリンダンス。ということで、「心理」がベースとなり、人と人とのコミュニケーションのあやが、結構重要な要素になる。客観的な証拠ではなく、人の気持ちや心がベースになるということ。そこでの、音楽への熱い造詣は私の気持ちを脇道に誘ってしまう感があるのだ。

ドキドキ・ハラハラしながら、「次は・・?次は・・・?」と、ページを繰るテンポが鈍る・・・という感覚かな。


話自体は、流石のディーバ。

今回も二転三転するジェットコースターストーリーに、脳みそが快く揺さぶられた。やっぱりディーバは面白い!

 

この記事について

このページは、yo4が2022年5月15日 00:38に書いた記事です。

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